新興国の投信は、少し前までは人気があった気がするのですが・・・・
その話が先に走ってしまい、もしかして、あまり情報を集めないまま、うわさのままに、
新興国に資産を投じた方も多かったのでしょうか。そうすると、その後また状況が変わってきて、
今度はいっせいに手放すようなことになっているのかも?
いくら投信の会社を通じてだとしても、リスクを負うのは自分ですから、
やはり、手にする前にしっかり検証が必要ですし、その後も慎重に、どうするべきか見極めなくてはならないようです。
長期間我慢して持ち続けられると、相対的に絶対損にはならない、とも言われているのですから。

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最初にふれた「ホーム・バイアス」ですが、大切なことは、資産に過剰な偏りを作らずにバランスよく分散して保有することです。世界のどこで、いつ、どんな問題が起きるかは誰にも予想ができません。それでも人がより豊かな暮らしを求めて経済活動を続けていくなら、長期では企業も市場も成長するのではないかという前提があって「株式」に投資をするわけです。そこで新興国に注目するのはいいと思いますし、資産の一部を投資する限りにおいては、投資資産全体が負うリスクが極端に高くなることはありません。

 ところが現在の新興国株式への投資を見ていると、「怖いから持たない」という方と、「どの国が今一番儲かるか」という両極端の方が大多数で、中間にいるはずの「分散して、少し持とう」という方があまりにも少ない気がします。
その結果、10年以上運用をつづけているものは、新興国(複数国)の投資信託 160本中、わずか7本、(単一国・中国圏)でも176本中14本しかありません。新興国株式への投資で、投資先の国々の成長を見守り、資産が本当に大きく育つ醍醐味を味わえる方は、残念ながらまだ少数なのです。

(読売新聞  - 2012年4月12日)
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